「子どもが幼稚園に行くのを毎朝泣いて嫌がる」
「今まで幼稚園に楽しく通っていたのに、夏休み明けに登園拒否するようになった」
など、お子様の幼稚園の登園拒否でお困りではないですか?
HSC(ひといちばい敏感な子)の場合、幼稚園を登園拒否しても驚くことではありません。
寧ろ、幼稚園を行き渋るのは当たり前かもしれません。
ここでは、HSCの登園拒否の原因、対応策、息子が壮絶な登園拒否から幼稚園大好きになった実体験を紹介しています。
幼稚園の登園拒否で悩んでいる保護者の方や、お子様が、ほっと安心できる事実を書きましたので、
最後まで読んでいただけると幸いです。
HSCが幼稚園を登園拒否する原因
HSCは、新しい環境に慣れるまでに時間がかかります。
HSCにとって幼稚園入園が、難しいことであるのは確かです。
お幼稚園を嫌がる原因はさまざまですが、ここでは、HSCが幼稚園を登園拒否する原因を、
学年ごとにみていきます。また、よく夏休みなど、長期休暇明けに登園拒否が増える理由も調べました。
年少児の場合
年少児の頃は、1番登園拒否が多いかもしれません。原因を表でまとめでみました。
①保護者と離れるのが、不安・怖い |
②新しい場所が、不安、緊張、どきどき |
③幼稚園という場所を理解できていない(ここはどこ?) |
④たくさんの人に圧倒される |
⑤気になる所が多くて、疲れる |
⑥体調がよくない/前日に疲れてしまった |
⑦先生の声が大きくて怖い・苦手 |
⑧着替えを人に見られるのが嫌 |
年少児の場合、HSCに限らず、保護者と離れて過ごすことに不安・恐怖を抱く子が多いです。
また、幼稚園という場所をよく理解しておらず、怖がっているケースもよくあります。
HSCの子の場合は、空間に占める人の多さや、先生の声や態度、着替えなどパーソナルスペースの無さがストレスになることがあります。
前日に遊び過ぎたり、睡眠が足りなかったりした日も、登園を嫌がる可能性が高いです。
年中の場合
年中児の場合、幼稚園のスケジュールやイベント等を理解できるようになっています。
年少児の場合の登園拒否の原因に加えて、年中児頃から見られる原因をまとめました。
①幼稚園でやりたくないことがある |
②お友達とのトラブル |
③お友達が叱られていた、泣いていた、喧嘩していた |
④幼稚園の後の予定が気になる |
年中頃になると、お友達とのコミュニケーションも活発になります。楽しいことですが、
ひょんなことから、トラブルも発生します。
・お友達から嫌なことを言われた/された
・遊びたかったお友達が、違う子と遊んでいた
大人でも、友人関係をずっと良好で過ごすのは難しいですよね。
まだ、経験も発達も未熟な子どもなら尚更です。
特に、HSCの場合、傍から見ると何てことない理由でも
心を痛めてしまうこともあります。
お友達が先生から叱られている場面や、お友達が悲しんだり、怒ったりする姿を見ると、
心がざわざわして、次の日から登園拒否なんてこともよくあります。
自分のことではないけれど、共感し過ぎてしまうんですね。
また、HSCの子は、スケジュール管理が得意な反面、
未来を予想しすぎて疲れてしまうことがあります。
「今日は、幼稚園の後にスイミングスクールがあるから行きたくない」
なんて発言は、HSCにはよくあります。
年長児の場合
年長児になると年少児に比べ、登園拒否も減って来ると思います。しかし、年長児になると、気分が落ち込んだ後の切り替えに時間がかかるようになるかもしれません。
年少・中児期で紹介した内容以外に、年長児が登園拒否する原因をまとめました。
①幼稚園のイベントにプレッシャー、緊張 |
②卒園する寂しさ |
③小学生になる不安 |
年長児は、幼稚園のイベントでメインになることが多いですよね。
「年少・中児のお手本になりましょう!」なんて言葉も先生からよく聞きます。
HSCの場合、イベントが楽しみな反面、プレッシャーになってしまうこともよくあります。
・運動会の練習に行きたくない(うまくできないかもしれない)
・劇に出たくない(人から見られるのが嫌)
イベントが近づくと、登園拒否の日が増えることは多いです。
また、年長が終わると、小学生になります。
ランドセルの購入や、各地域で行われる入学前診断などで
子ども達も小学校というものを意識してきます。
幼稚園のお友達に会えなくなってしまう寂しさや、
小学生になる期待と不安で、心がいっぱいになってしまい
「幼稚園に行きたくない」となるケースも多いです。
夏休み明けに登園拒否する理由
夏休みなどの長期休暇明けは、登園拒否する子、多いですよね。
結論から言うと、長期休暇明けに、理由がないのに幼稚園に行きたくないというのは、
心配しなくて大丈夫です。
休み中、お家で安心・安全に楽しく過ごせていた証拠です。
幼稚園の楽しさを思い出してくると、自然と通えるようになると思います。
息子の幼稚園登園拒否の実体験
息子は年少から幼稚園に入園しました。幼稚園は、先生も優しく息子に会った所を選びました。
それでも、初日から、息子は大泣きで幼稚園を嫌がりました。
息子の幼稚園の行き渋りは、年少の終わりまで続きましたが、ある時期から幼稚園が大好きになりました。ここでは、その体験談をご紹介します。
登園拒否のはじまり
息子は、幼稚園に入る準備が整っていませんでした。
まず、息子は3歳になっても、母子分離ができていませんでした。母親である私とは30分離れるのがやっとでした。便座に座るのがこわいと、トイレトレーニングも終わらず、幼稚園という場所もほとんど理解していませんでした。おまけに、触覚過敏とトラウマから、パーソナルゾーンに自分と同じ年くらいの子が入って来るのを嫌がっていました。
そんな息子でしたので、当然のように幼稚園初日から、大泣きでスタートしました。
それから、毎日、朝から泣いて着替えて、自転車に半ば無理やり乗せて、幼稚園に着いても自転車から降りずに、結局、家へ引き返す…。なんて日が続きました。
息子も辛かったと思いますが、私自身も、朝が来ると「あぁ、また泣くんだろうな。」とノイローゼになりそうな程、疲弊していました。
発達支援の先生の見解
藁にもすがる思いで、発達支援アドバイザーの先生に、息子の登園拒否について相談しました。
息子くんの場合、年少から幼稚園に通うのは、難しいかもね~。
ぜったい、無理やり行かせたらダメだよ。
大丈夫。安心・安全な気持ちがいっぱいになったら
子どもは自分から幼稚園に通うようになるから!
明るく、何ともないことのように言ってもらい、何だか拍子抜けでした。
先生が仰るには、息子はまだ心の安心・安全が足りていないので、
お家で「あなたは安全だよ。何も怖いことはないよ。ママが守るからね」と見守ってあげることが大切だとのことでした。
必ず帰って来られる、安心・安全の場所(家)を確保できれば、子どもは家を出ることができるそうです。
今までは、何とか幼稚園に連れて行かないとと思っていましたが、
「無理に幼稚園に連れて行ってはダメ!」と言ってもらい
私自身、ほっとしました。心のどこかで、「本当に幼稚園に連れて行かないとだめなのかな」と
思っていたことが、やっぱりそうだったんだ!と腑に落ちました。
我が家が実際にした対応
発達支援の先生からの助言も参考にして、我が家が行って良かったことを5つをご紹介します。
①幼稚園をお休みする |
②家では楽しく過ごす |
③子どもが安心する声掛けをする |
④幼稚園までお散歩する |
⑤幼稚園のお友達とプライベートで遊ぶ(年上) |
幼稚園を思い切ってお休みするのは、本当に良かったです。
今日は幼稚園行かない!
いいよ。今日はお休みしようね。
そう伝えたら、息子は本当にほっとした顔をして「ママ、ありがとう」と言いました。
お休みした日は、できるだけ明るく楽しく過ごしました。
時々、幼稚園のポジティブな話しを聞かせました。
・お友達と追いかけっこするんだよ
・今度、お楽しみ会でプレゼント貰えるんだって!
・先生はとっても優しいんだよ など
休日に、家族で幼稚園までお散歩に行くのも良かったです。
中には入れませんが、
「こんな園庭で遊べたら楽しいだろうな~。○○(息子の名前)はいいなぁ。ママも遊びたいな」
なんて言いながら幼稚園を外から見学しました。
息子は、幼稚園に行くと家に帰れないという認識が強かったので、
「幼稚園で楽しく遊んだら、すぐにママが迎えに行くからね」
「お弁当食べたら、すぐ帰りの時間だよ」
「帰りたくなったら、先生にお話ししてね。すぐに迎えに行くよ」
と繰り返し伝えたのも、効果的でした。帰りの時間が何となく分かり、安心したようでした。
また、息子は同じ年くらいの子を怖がっていたのですが、
偶然、近所に年長のお友達ができたので、その子に時々遊んでもらいました。
お友達は怖くない。お友達と遊ぶって楽しい!年長の子と遊ぶようになって
芽生えた気持ちでした。
幼稚園が大好きになった理由
息子は年少の半ばから、幼稚園を嫌がらなくなりました。年少の終わりには、お休みの日に「早く幼稚園行きたいなぁ」と話すようになったほどです。
息子が幼稚園の登園拒否がなくなった、1番の理由は、幼稚園の構造・スケジュールを理解したことだと思います。どこに何があるのか、お外遊びの後はお弁当、その次はお迎えの時間。など
幼稚園というものを息子自身の中に落とし込めた時に、幼稚園を楽しみ始めたのだと思います。
HSCの登園拒否に効果的な対応策
HSCにおすすめの、登園拒否に効果的な対応策をご紹介します。
事前準備で気持ちを整えておく
幼稚園に入園前から心と体の準備をしておくことは、とても大事です。
具体的に言うと
・保護者と離れる時間に慣れておく
・幼稚園の見学に行く、お散歩に行く
・幼稚園は安心・安全な場所だというイメージを植え付けておく
・登園の前日は疲れすぎないようにする
信頼できる人に協力してもらい、10分でもいいので、保護者と離れる練習をしておくと良いと思います。その際、「必ず迎えに来るからね」と伝えて、子どもが泣いてもニコニコ笑って行ってください。
保護者が心配そうに出ていくと、不安が子に伝わり、子どもは余計辛くなってしまいます。
前日に疲れすぎないようにして、体調も整えておくのも大切です。
おまじないをする
おまじないというか、子どもが安心する決まりごとをつくるのもおすすめです。
・手にニコニコマークを描いて、「ママに会いたくなったら、ここを見てね!」
・元気が出る魔法をかけた、絆創膏を貼る
・幼稚園の玄関で、ギューッと抱きしめてパワーチャージをする
なんでも大丈夫です!お子様がしっくりくるおまじないを考えてみてください♪
休ませる、時短登園する
何度も言いますが、幼稚園は休ませても大丈夫です。
その日は、お家で明るく楽しく過ごしてください。
「明日、幼稚園終わったらまた遊ぼうね」等
ポジティブな声掛けも同時に続けると良いです。
先生とのコミュニケーションを忘れない
幼稚園の担任の先生には、こまめに子どもの状況を伝えておくと良いと思います。
子どもの繊細な特性も、しっかりお話ししてください。
【危険】参考にしてはいけないアドバイス
子どもが、幼稚園に通えないと言うと、色々なアドバイスを聞くと思います。
私は基本的に、保護者が聞いて、腑に落ちない助言や心がざわつく助言は、無視していいと思っています。
特にHSCを育てているなら、気にしない方が良いアドバイスを集めました。
①子どもはみんな同じだから大丈夫 |
②無理にでも連れて来てください |
③子どもの言いなりになってはダメ |
人間がみんな同じでないことは、誰でも分かりますよね。
どうして、子ども時代はみんな同じだと思えるのでしょうか。そっちの方が不思議です。
子どもの気持ちを無視して、無理に幼稚園に連れて行くと、「私がNOと言っても、親は聞いてくれない」と心の傷になってしまうことがあります。無理に何かをさせるのは、おすすめしません。
子どもの言いなりか、子どもの意見を尊重しているのか、その見極めは、保護者がすることです。他人のジャッジは気にしないで大丈夫です。
「HSC」の提唱者、『ひといちばい敏感な子』の著者エレイン・N・アーロンさんは、著書の中でこう述べています。
登園拒否には終わりが来る
永遠に終わらないかのような気がする、幼稚園の登園拒否。
親だって泣きたくなりますよね。私もそうだったから、分かります。
だけど、経験者として言えるのは、幼稚園の登園拒否には必ず終わりが来るということです。
それは、年中かもしれないし、年長になってからかもしれません。
本当に大変な時期だと思いますが、
子どもとの信頼関係が強くなる期間ともいえます。
子どもを信じて、焦らず、少しずつ進んでいきましょう。